序章: 禁断の果実に手を伸ばす
金融の世界には常に新しい投資手法が生まれ、時として過激なものさえ出現します。しかし、中にはハイリスク・ハイリターンと呼ばれる手荒な手段があり、一般の投資家からは敬遠されがちです。風丸氏の著書「米国株「レバナス」投資 月1万円の積み立てから狙う”悪魔的リターン”」は、まさにその悪魔的な投資手法に切り込んだ contested の書であり、多くの投資家の心を揺さぶるに違いありません。
第一章: レバレッジとナスダック、狂気の掛け算
本書の主役は、米国のハイテク株の指数であるナスダック100指数に絡む、レバレッジ投資手法「レバナス」です。レバレッジとは、実際の資金を上回る金額でリスクを取る投資方法です。3倍のレバレッジを利かせれば、10万円の投資が30万円分の含み益を狙えます。しかし、リスクも3倍になることを忘れてはなりません。
ナスダック100はハイテク株の集まりであり、大きな値動きが期待できますが、その分リスクも高いのです。風丸氏は、この極端な値動きとレバレッジの掛け算によって、「悪魔的リターン」を狙うというわけです。たった月1万円の積み立てでも、数年で長者になれる可能性を秘めています。しかし、その代償は計り知れません。
第二章: 悪魔の詩
本書の中盤では、実際の投資手法と投資事例が詳細に解説されています。ただ資金を投入するだけでなく、値動きのタイミングを狙う方法、リスク管理の極意など、レバナス投資に不可欠なノウハウが書かれています。投資のプロにとっても有益な知見があり、熟読する価値は高いと思われます。
しかし、一般の投資家にとってこの手法は危険すぎます。まるで悪魔の呟きのように、リターンとリスクの正体があばかれるたびに、恐怖と興奮が行き交います。資金は簡単に吹き飛び、人生を狂わせかねません。この手法は、確かに甘い禁断の果実のようですが、その代償は重すぎるのかもしれません。
終章: 悪魔を飼い慣らす
最終章では、レバナス投資での成功を収めた実例が紹介されています。確かに、少額からでも大きなリターンを上げている人は存在します。しかし、そこには相当のリスク許容度と投資の腕が必要とされています。プロ級の投資家でさえ、うまくいかない可能性は十分にあるのです。
ですので、この本を読んでレバナス投資に手を染める前に、よく自分の心構えと投資力を見極める必要があります。悪魔を飼い慣らすことはできますか? その問いに向き合わずして、この投資に踏み込んではいけません。悪魔に魂を狩られてしまうかもしれません。